ここでは、以下の3つの項目に関して解説します。
①基礎の種類
②土台が腐らない仕組み
③シロアリ対策
基礎の種類には大きく分けて以下の2種類があります。
①布基礎
②べた基礎
(画像:布基礎の図解)
①布基礎
建物の壁の下に沿って帯状に基礎を作る方法で、床下全体には基礎がない構造。
基礎がない部分には砕石を敷くことが一般的です。
メリット:コストがやや低め / 施工が簡単
デメリット:不同沈下のリスクが高い / シロアリや湿気に弱い
(画像:べた基礎の写真)
②べた基礎
建物の床下全体に基礎を作る方法。
床下全体をコンクリートで覆うため、床下に地面が露出しない。
メリット:比較的耐震性が高い / 湿気・シロアリに強い
デメリット:コストがやや高め / 施工の難易度が高い
以下の表は、布基礎とべた基礎の主な違いをまとめたものです。
項目 | 布基礎 | べた基礎 |
---|---|---|
コスト | ◎ 低コスト | △ やや高め |
耐震性 | △ やや劣る | ◎ 高い |
湿気・シロアリ耐性 | △ 弱い | ◎ 強い |
施工のしやすさ | ◎ 施工が簡単 | △ 技術が必要 |
(表:布基礎とべた基礎の比較)
当社では、耐震性の高さや湿気・シロアリへの強さを考慮して、原則べた基礎を採用しています。
更に、防水シートを基礎の下に敷くことで、湿気対策を行っています。
(画像:べた基礎の下に敷く防水シート)
(画像:腐った土台の写真)
コンクリートは施工後しばらく湿気を発します。
湿気をそのままにしてしまうと、木でできた土台が腐る原因となります。
どれだけ耐震性の高い家を作ったとしても、湿気対策を疎かにしてしまえば、地震に弱い家となってしまうのです。
(画像:基礎パッキン工法の写真)
そこで、その対策として用いられるのが基礎パッキン工法です。
上の画像をご覧ください。
基礎と土台の間に黒色の樹脂製の基礎パッキンが入っています。
このパッキンにはたくさんの通気口が開いており、床下を効率よく換気することができます。
床下を換気することで湿気を外に逃がし、土台が腐ることを防止しています。
「重い土台の下に樹脂製のパッキンを使って大丈夫なの?」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、当社が採用しているパッキンは非常に高性能で、最大荷重がかかった状態でも100年後の変形はわずか1%以下という驚異的な耐久性を誇ります。
長期間にわたって、建物の重さをしっかり支え続けることが証明された信頼性の高い素材を使用しています。
(画像:土台に挟まった断熱材の写真)
基礎パッキンによって床下に空気の流れが生まれ、湿気を効果的に排出できますが、その反面、床が冷えやすくなるというデメリットもあります。
そのため、当社では土台の間に厚い断熱材を充填します。
断熱材で床下と1階の床をしっかり区切ることで、冬でも足元から暖かく快適に過ごせる住まいを実現しています。
(画像:シロアリのイラスト)
シロアリは木材に含まれるセルロースを主食としています。
また、シロアリは湿気が多く暗い場所を好みます。
そのため、シロアリにとって住宅の床下は楽園のような環境です。
(画像:シロアリの被害にあった土台の写真)
シロアリに土台を食べられてしまうと、湿気で腐った土台と同じように、地震に弱い家となってしまいます。
そのため、当社ではシロアリ対策として、以下の対策を行っています。
・べた基礎を採用し、土台が地面に触れない構造に
・基礎パッキン工法で床下の湿気を排出
・防虫効果のある桧(ひのき)を土台に使用
・人体に安全性の高い薬剤を基礎と土台に全体散布
おかげさまで、創業以来現在に至るまで、シロアリによる被害報告は一件もありません。
このように、目に見えない部分にまで徹底してこだわることが、長く安心して暮らせる住まいづくりにつながると私たちは考えています。